米国株

長期インデックス投資家が絶対にやってはいけないこと

長期インデックス投資は、やること自体はとてもシンプルです。毎月決めた金額を積み立て、長い時間をかけて市場全体の成長に乗る。基本はそれだけです。

しかし、シンプルだからこそ難しい面があります。多くの人が失敗する原因は、難しい銘柄を選べなかったからではありません。余計な情報を浴びて、余計な行動をしてしまうからです。

長期インデックス投資家にとって、本当の敵は暴落そのものではありません。暴落時に不安をあおる情報、短期投資家の言動、他人の爆益報告、そして自分の中に生まれる「何かしなければ」という焦りです。

株アカウントを作ってSNSで情報収集しない

長期インデックス投資家に、株専用のSNSアカウントは基本的に不要です。

SNSの株界隈には、短期売買、個別株、信用取引、テーマ株、決算ギャンブル、暴落予想、爆益報告が大量に流れています。S&P500、全米株式、NASDAQ100、全世界株式などのインデックスファンドを長期で積み立てる人間が、毎日それを見る必要はありません。

見れば見るほど、心が動きます。

自分も個別株を買った方がいいのではないか。今は高いから積立を止めた方がいいのではないか。暴落が来そうだから一度売った方がいいのではないか。インデックスだけでは遅いのではないか。

こういう迷いは、長期投資の敵です。情報を得ているつもりで、実際には自分の投資方針を壊す材料を集めているだけかもしれません。

短期投資家の言葉を真に受けない

短期投資家と長期インデックス投資家は、同じ株式市場にいても、やっている競技が違います。

短期投資家は、今日、今週、今月の値動きを見ます。長期インデックス投資家は、10年、20年、30年という時間軸で考えます。

短期投資家の「逃げろ」「利確した」「今は危険」「ここで入る」という言葉は、長期積立にはほとんど関係ありません。

短距離走の選手の走り方を、マラソン中に真似するようなものです。参考にする相手を間違えると、自分のペースを崩します。

毎日チャートを見ない

毎日チャートを見ると、投資をしている気分になります。しかし、長期インデックス投資では、毎日の値動きを確認してもほとんど意味がありません。

むしろ害の方が大きいです。

上がれば、もっと買いたくなる。下がれば、怖くなる。横ばいなら、つまらなくなる。どの場合でも感情が動きます。そして感情が動くと、売買したくなります。

長期投資家に必要なのは、チャートを読む能力ではありません。チャートを見なくても積立を続けられる仕組みです。

暴落ニュースを追いかけない

暴落時にニュースを見れば見るほど、不安は大きくなります。

世界同時株安、リーマン級、米国経済崩壊、新NISA民終了、まだ下がる。こういう見出しは、冷静な判断を助けるためではなく、読まれるために作られています。

長期インデックス投資家に本当に必要なのは、暴落の理由をすべて理解することではありません。暴落しても積立を続けることです。

理由を知ったところで、底値が分かるわけではありません。次に上がる日が分かるわけでもありません。分からないものを分かったつもりになる方が危険です。

暴落時にSNSを見ない

暴落時のSNSは、長期投資家にとって危険地帯です。

売った人が正しそうに見えます。現金化した人が賢そうに見えます。損切りした人が冷静そうに見えます。

しかし、長期インデックス投資家にとって大事なのは、暴落を避けることではありません。暴落を含めて市場に居続けることです。

暴落時こそ、SNSを閉じる。これはかなり重要です。不安なときほど、見てはいけない情報があります。

「今は高いから積立を止める」をしない

長期積立でよくある失敗が、「今は高いから少し下がってから買おう」と考えることです。

一見すると冷静な判断に見えます。しかし、それはタイミングを読もうとしているだけです。

高いと思って積立を止めた後、さらに上がることがあります。下がるのを待っている間に、買う機会を逃すこともあります。

長期積立の強みは、タイミングを読まないことです。高い時も買う。安い時も買う。普通の時も買う。それがドルコスト平均法です。

「暴落したら買う」と言って現金を寝かせすぎない

暴落を待っている人は多いです。しかし、暴落待ちは思っているより難しいです。

暴落を待っている間に市場が上がる。いざ暴落が来たら、怖くて買えない。さらに下がると思って買えない。結局、底を逃す。

この流れはよくあります。

長期インデックス投資家は、暴落を当てる必要はありません。毎月買い続けることで、上昇も下落もまとめて受け入れればいいのです。

途中で利益確定しない

長期投資でやってはいけないことの一つが、安易な利益確定です。

だいぶ増えたから一度売る。また下がったら買い直す。含み益が消えるのが怖い。

この気持ちは分かります。しかし、それをやると複利のエンジンを自分で止めることになります。

長期インデックス投資は、利益が出たら成功ではありません。利益が出ても持ち続けることで、さらに長期の成長を取りに行く投資です。

個別株の爆益報告に反応しない

SNSには、短期間で何倍になったという話が流れてきます。AI、半導体、防衛、バイオ、暗号資産、テーマ株。見ればうらやましくなります。

しかし、その裏には、失敗した人、退場した人、黙っている人が大量にいます。

爆益報告だけを見ると、市場が簡単に見えてしまいます。しかし、見えているのは勝った人の一部だけです。

長期インデックス投資家は、他人の花火大会を見て、自分の航路を変えてはいけません。

高配当株や優待株に目移りしない

高配当株や優待株が悪いわけではありません。ただし、長期インデックス投資家が途中で目移りすると、投資方針がブレます。

配当が毎月ほしい。優待が楽しそう。インデックスは退屈。そう感じることはあります。

しかし、資産形成の主軸を作る段階では、退屈な投資の方が強いです。楽しさを求めて投資方針を変えると、資産形成のスピードが落ちることがあります。

投資信託を頻繁に乗り換えない

少し信託報酬が安い商品が出た。最近は別の指数が強い。YouTubeで別の商品が紹介されていた。

そのたびに乗り換えていたら、長期投資ではありません。

もちろん、明らかに手数料が高すぎる商品から低コスト商品へ移すなど、合理的な見直しはあります。しかし、頻繁な乗り換えは、ただの迷いです。

長期投資では、商品選び以上に、選んだ商品を長く持ち続けることが重要です。

毎月ポートフォリオをいじらない

資産配分を確認すること自体は悪くありません。しかし、毎月のように細かく調整する必要はありません。

長期投資では、多少のズレは自然に起こります。上がった資産の比率が増えるのは、勝っている証拠でもあります。

細かく直しすぎると、結局は感情で売買しているのと同じになります。

見直しは年に1回程度でも十分です。毎月やるべきことは、ポートフォリオをいじることではなく、積立を続けることです。

為替で売買判断しない

円高だから買う。円安だから買わない。ドル円が危ないから売る。

これも長期インデックス投資家には不要です。

米国株や全世界株式のインデックスファンドを長期で買うなら、為替の上下も含めて付き合うことになります。

為替を完璧に読めるなら、それだけで大きな武器になります。しかし、普通は読めません。読めないものを読もうとしないことも、長期投資では大切です。

大統領選・金利・景気後退で積立を止めない

米国大統領選、FRB、金利、景気後退、雇用統計、CPI。こうした経済イベントは市場に影響します。

しかし、それらは長期積立を止める理由にはなりません。

長期インデックス投資家は、経済イベントを当てに行く人ではありません。経済イベントをすべてまたいで、市場に居続ける人です。

これから何が起こるかを当てるのではなく、何が起きても積立を続ける。そこに長期投資の強さがあります。

YouTubeの煽りタイトルを見ない

新NISA民終了。S&P500は危険。今すぐ売れ。暴落前夜。NASDAQ終了。

こういうタイトルは、再生されるために作られています。あなたの資産形成のために作られているわけではありません。

長期インデックス投資家は、動画のサムネイルに人生を左右されてはいけません。

本当に必要な情報は、派手な煽りではなく、自分の積立額、家計、生活防衛資金、投資期間、リスク許容度です。

他人の資産額と比べない

他人が1億円を持っている。同世代で自分より多い。若い人が爆速で増やしている。

比べる意味はありません。

入金力、年齢、家族構成、住宅費、相続、収入、支出、リスク許容度がすべて違います。

他人の資産額は、自分の投資方針を変える理由にはなりません。見るべきなのは、他人の口座ではなく、自分の計画です。

承認欲求で投資しない

SNSで資産額を見せる。含み益を見せる。暴落時に耐えている自分を見せる。誰かに褒められたくなる。

これも危険です。

投資は他人に見せるためにやるものではありません。自分と家族の将来のためにやるものです。

承認欲求が入ると、投資判断が他人の目に引っ張られます。長期投資に必要なのは、派手さではなく、静かに続ける力です。

生活防衛資金まで投資しない

長期投資で重要なのは、暴落時に売らなくて済むことです。

そのためには、現金も必要です。生活防衛資金まで投資に回すと、いざという時に売るしかなくなります。

長期投資家にとって、現金はリターンを生まない無駄金ではありません。投資を続けるための防御力です。

現金があるから、暴落時にも積立を続けられます。現金があるから、慌てて売らずに済みます。

借金して投資しない

信用取引、カードローン、生活費の前借り。これらは長期インデックス投資とは別物です。

インデックス投資は、余裕資金でやるから強いのです。借金を使うと、暴落時に精神が持ちません。

長く続ける投資に、無理なレバレッジはいりません。

退場しないこと。市場に残り続けること。それが長期投資では何より大切です。

退屈だからという理由で投資を変えない

インデックス投資は退屈です。毎月積み立てるだけです。やることがありません。

しかし、それでいいのです。

投資が退屈なら、仕事、副業、ブログ、制作、家族、健康に時間を使えばいい。長期インデックス投資家にとって、投資に時間を奪われないことは大きなメリットです。

退屈な投資を続けながら、人生の本体を前に進める。それが長期インデックス投資の良さです。

見てもいい情報は限られている

長期インデックス投資家が見るべき情報は、多くありません。

  • 投資信託の信託報酬
  • 目論見書
  • NISA制度
  • 税制
  • 自分の積立設定
  • 年1〜2回の資産配分
  • 家計と入金力
  • 生活防衛資金
  • 自分の目標金額と投資期間

逆に、毎日の株価、個別株の材料、短期売買の手法、暴落予想、インフルエンサーの売買報告は、ほとんど不要です。

一番やってはいけないこと

長期インデックス投資家が一番やってはいけないのは、短期投資家の世界に精神を引きずり込まれることです。

投資方針は長期なのに、情報収集だけ短期投資家と同じ。これが一番危険です。

長期投資家は、毎日市場に反応する必要はありません。

積立を続ける。余計な売買をしない。暴落時も市場に残る。そして、投資以外の人生を進める。

長期インデックス投資は、派手な投資ではありません。しかし、普通の人が資産形成を続けるうえでは、とても強い方法です。

大切なのは、勝ちそうな情報を探すことではありません。負ける行動を避けることです。

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