50歳を迎える少し前、世界は大きな変革の時期に突入していた。2020年、コロナウイルスのパンデミックが世界を襲い、生活のあらゆる面が一変した。私もその影響を受け、これまで考えもしなかった新たな挑戦に踏み切ることにした。それが、「株式投資」だった。
以前から株には興味があった。ニュースで株価の変動を見たり、成功した投資家の話を聞くたびに、「自分もやってみたいな」と漠然とした興味を持っていた。ただ、それまでの忙しい日常に追われ、実際に投資を始める機会がなかった。しかし、コロナ禍で自宅で過ごす時間が増えたことで、ようやく行動に移すことができた。
その頃、株式市場は大きく下落していた。毎日のように「歴史的な暴落」や「経済危機」の文字がニュースを賑わせていた。多くの人々が不安に駆られ、売り急いでいるように見えた。そんな中、私は逆に「今がチャンスだ」と思った。もちろん、リスクも大きいことは承知していたが、それでも私の中には強い確信があった。
この決断に至るまで、自宅にこもっている間に、Amazonオーディブルで聴ける株式投資に関するオーディオブックをすべて聴いた。初心者向けの入門書から、プロフェッショナルの戦略を解説するものまで、さまざまな資料を通して知識を蓄えていった。最初はわからないことばかりだったが、徐々に株式市場の仕組みや投資の基本を理解できるようになっていった。
実を言うと、これまでの人生で「大きな成功」を収めたわけではないが、どこか自分は「運が良い」と感じることが多かった。特に何かを狙って成し遂げたわけではないのに、自然と物事がうまく進んでいくような感覚があった。だからこそ、その漠然とした「運の良さ」があれば、株でも成功するのではないかと、なんとなく思ったのだ。
こうして、私は50歳で株式投資を始めることにした。初めての投資は、まるで新しい冒険に足を踏み入れるような感覚だった。未知の世界に飛び込む不安と同時に、どこかワクワクする気持ちもあった。
もちろん、投資にリスクは付き物であり、全てが順調にいくわけではない。しかし、50歳という節目に新しいことに挑戦できたこと自体が、大きな意味を持っている。株式投資の世界に足を踏み入れるという決断は、私にとって大きな一歩だった。50歳からでも遅くはない。むしろ、今だからこそできることがあると信じて、これからも挑戦を続けていくつもりだ。
次回はリスクについて話します。